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ビジネス支出管理(BSM)とは何か?

BSM (Business Spend Management。ビジネス支出管理)は、事業運営で実際に支出が発生する際の、その前後と最中のすべてのプロセスや状況を把握するテクノロジーと戦略のことです。 ソーシングイベントから契約条件の交渉、発注書の作成、請求書の処理、その他多数の支出、キャッシュマネジメント、流動性、サプライヤー関連の活動に至るまで、BSMは企業の支出パターンとプロセスをエンドツーエンドで追跡、分析、自動化し、リスクの軽減、収益性の改善、業務効率の向上を実現します。 その中核においてBSMは、企業があらゆる支出を最大限に有効活用できることを主眼としています。

BSMと経費管理は同じものと思われがちですが、実際には経費管理はBSMのサブカテゴリーにすぎません。 経費管理には、業務で発生した従業員の経費精算が含まれ、会社はそれの払い戻しを行います。 一方、BSM (ビジネス支出管理) には、経費管理だけでなく、直接材 (製品やサービスの製造に関連するコスト) と間接材 (製品やサービスの製造に直接関係しないコスト) の両方、その他すべての会社の支出が含まれます。

上図にあるように、BSMはビジネス支出のあらゆる領域に関わります。 企業は、リソースの使用状況とその用途を詳細に把握することで、より賢明なビジネス上の意思決定を行うことができます。

 

「BSMは、バックオフィスのさまざまな処理や作業の調整を図り、それぞれが単独で生み出す以上の価値と効率性を総合して実現します。 BSMは、企業のすべての支出を詳細かつ統一して把握できるテクノロジーを使用し、財務チームや購買チームの迅速な意思決定と行動、リスクの軽減、スマートなサプライチェーンの構築を可能にすることから始まります」

- Tony Tiscornia、Coupa最高財務責任者

BSMが重要な理由

予期しなかったサプライチェーンの混乱、記録的なインフレ、世界的なESG (環境・社会・ガバナンス) 基準の厳格化により、得られる利益率がますます少なくなっています。 物価が上昇を続ける中、多くの企業は値上がりの負担を顧客に押し付けてきましたが、そのような戦略は長続きするものではありません。 2022年5月にガートナー社が199人の最高財務責任者(CFO)を対象に実施した調査によると、78%の企業がインフレ対策としてデジタル化への投資を主要戦略の1つとして挙げています。

 

従来の支出管理システムを依然として使用している企業は、さまざまなポイントソリューションに依存しており、不利な状態にあることが多いためです。 そのような企業では、プロセスがますます複雑化して遅くなりサイロ化しています。 その結果、以下のようなことが起きています。

  • 従業員へのシステムの定着率が低く、支出の可視化が進まない
  • 異なるシステムや冗長なシステムでトランザクションを処理しているので、人件費と技術コストが高くなる
  • 処理を手作業で行い、サプライヤーのシステム定着率も低いので、エラー率が増加
  • ガバナンスと監視が不十分なため、支出漏洩が発生
  • KPIを正確に追跡できない

 

最高財務責任者 (CFO) の46%が、自社内のトランザクションを完全に把握できていないのも不思議ではありません。 資金がどこでなぜ使われているのかがわからなければ、企業成長を促進するスマートな意思決定はできないのです。

この点で、BSMは企業の競争力を優位にすることができます。 BSMを導入することで、手作業の処理がなくなり、部門間の連携が向上し、支出について正確な情報を提供する唯一の情報源を企業は得られます。 その明確な証拠に、従来の支出管理アプローチを取っている企業では対応可能支出の削減がわずか2%~3%であったのに対し、BSMを採用している企業では6.6%削減しています。 しかし、BSMの完全な利点は、コスト削減の促進だけにとどまるものではありません。

BSMのメリット

BSMの主なメリットは、意思決定者に正確で総合的なデータを与え、目まぐるしく変化する市場環境に戦略的に対応できるようにすることです。 その他のBSMのメリット:

コスト削減とサステナビリティの改善

企業は、利益率とサステナビリティのどちらか一方を選ぶ必要はありません。 実際、経営戦略においてサステナビリティを優先している企業は、同業他社よりも利益が高くなっています。 BSMによって企業は、ESG (環境・社会・ガバナンス)データの支出プロセスへの反映、最良価格を提供する多様性の高いサプライヤーの特定、サプライチェーンにおける二酸化炭素排出量の削減、AIモニタリングによるサプライチェーンの透明性の向上が可能になります。 また、支出データは一箇所で追跡されるため、AIがこのデータを分類して分析し、さらなる節減措置を講じるのにも役立っています。 例えば、業界内の顧客コミュニティよりも特定の品目カテゴリーの支出が30%多いといった通知を受け取ることができれば、購買チームはさらなるコスト削減に向けて契約内容を再交渉することができます。

従業員の生産性向上

手作業で行っていた処理をデジタル化し自動化することで、ミスが減るだけでなく、空いた時間で従業員が分析業務に専念できるようになります。 その一例が、請求書処理の自動化です。 ベストインクラスの企業では、請求照合の初回一致率が平均96.5%、請求書の承認時間が10.6時間です。そのおかげで、採算性を高めるべくAP(買掛金担当)チームは契約条件と支払条件の相互参照を行う時間を持てるようになります。 請求書処理が速く行えるようになったことで、手を煩わせる問題が減り、購買チームはサプライヤーとの関係を強化できるようになります。 CFOもキャッシュフローをより正確に予測し、予算を調整しやすくなります。 こういった処理にテクノロジーを導入することで、組織全体にプラスの波及効果をもたらすことができます。

リスクを軽減

リスク管理には、ESGや税務規制の遵守、サプライヤーベースのサードパーティの評価と監視、不正支払いの防止などがあります。 特にESGリスクは、ますます重要性を増しており、政府機関や消費者が二酸化炭素排出量について、より詳細な情報開示を企業に求めています。 EYによれば、企業の温室効果ガス排出量の90%以上がサプライチェーン業務に起因しており、サプライヤーを精査することがかつてないほど重要になってきています。 BSMツールを使うことで、サプライヤーベースが可視化され、違反行為を監視できるようになり、疑わしい行為をリアルタイムで検知できるようになります。 企業内部では、自動化したプロセスと事前設定された制御機能により、ミスや不正のリスクを回避し、投資家からの評判を損なうような予算超過の支出も阻止できます。

財務計画の強化

BSMは、あらゆる種類の支出、承認済み請求書、世界全体でのキャッシュポジション、財務責任者や資金管理部門が見落としがちな支払いの予定をリアルタイムで完全に可視化します。 サプライヤーのキャッシュフローのニーズを尊重しながら支払いのタイミングをずらすことで、財務責任者は会社の資金の隠れた利回りを引き出し、支払い処理から財務的リターンを生み出せるようにもなります。 エンドツーエンドでの可視化を高めることで、現在の支出レベルでの予算超過の可能性を察知し、必要に応じたリソースの再配分や、what-ifシナリオに備えた計画を財務チームが行えるようになります。

BSMの活用方法

BSMは、事前に定義された一連の処理を中心に構築されるので、会社の支出に関するすべての申請、購入、追跡が一元管理されたシステムで理想的に行われます。 これを実現するために、企業は通常、規模の拡大に合わせて特定のBSM機能に投資します。 そのため、BSMは以下のような段階で進行し強化されていくとCoupaは考えています。

  • ステージ1 - 手作業の処理 → 紙面、スプレッドシート、Eメールや様々なポイントソリューションを使って支出の追跡、管理、分析が行われ、処理は手作業ばかりでサイロ化されています。
  • ステージ2 - デジタル化と自動化 → 購買、請求書の処理、支払処理、資金管理、経費などの手作業の処理がデジタル化され自動化されることで、支出を可視化でき従業員の生産性が向上します。
  • ステージ3 - デジタルプロセスの統合 → デジタルプロセスを単一のワークスペースやシステムに統合することで、部門間の連携強化、承認処理の迅速化、レポート精度の向上、リスクの低減につながります。
  • ステージ4 - AIによる最適化 → AIを活用して業界ベンチマークの提供、不正の検知、改善点の特定を行うことで、業績を最適化できます。
  • ステージ5 - イノベーション → すべてのステージでの改善を継続することで、イノベーション、戦略的意思決定が可能になり、市場の混乱に耐えるアジリティ(俊敏性)を持てるようになります。

最初の4つのステージがどのような状況を表すのか、関係する事業部門ごとに詳しく見ていきましょう。

ステージ1 - 手作業の処理

  • 財務部門: 通常、正式な購買プロセスがないため、すべての購入申請は財務部門を通さなければなりません。 Coupaではこれを「財務部負担の大きい購買」と呼んでいます。その結果、承認処理に時間がかかります。 スプレッドシートや短期的なポイントソリューションを使って支出や支払いを追跡するため、キャッシュフロー予測が複雑です。
  • 購買部門: 利用できる技術や正式なプロセスが限られているため、その場その場の方法で従業員が物品を購入することがよくあります。 専任の購買責任者やチームがいたとしても、その人たちの主な役割は会社全体のためのバイヤーや契約管理者です。
  • 調達部門: 多くの場合、スプレッドシートやERPシステムだけが調達の手段であるため、財務部門と購買部門以外での定着率が低いのが実情です。 そのため、契約外の購入が多くなり、節減の漏れ、サプライヤーパフォーマンスの不十分な監視、入札ミスにつながっています。
  • サプライチェーン: 明確な組織構造がなく、プロセスは手作業で行われています。 チームがサプライチェーン設計を見直すことはめったになく、限られた機能しかないポイントソリューションで業務を行っています。 それらすべてが相まって、意思決定が保守的になります。

 

ステージ2 - デジタル化と自動化

  • 財務部門: 多くの企業は、BSMの実践からいち早く価値を実現するために、買掛金(AP)処理の自動化(エンドツーエンドではないものの)に取り組むことで、強化モデルのステップアップを始めています。 請求書の処理は紙ベースで行われることが多いため、チームは、発注書と請求書の照合の自動化を目指します。
  • 購買部門: 中核となる購買業務の一部を自動化することで、主要な支出分野におけるカテゴリー管理を改善し、サプライヤーをセグメント化できます。 コスト削減に重点を置いた、より効率化された基本的な購買プロセスが生まれ始めます。 しかし、支出の全体的な追跡はまだ限られています。
  • 調達部門: タスクを自動化し、テンプレートを活用することで、入札プロセスが効率化し、調達チームが入札を直接比較しやすくなるので、市場投入までの時間が短縮します。 また、自動アラートを使用することで、バイヤーとサプライヤーが効果的に協力し、重要なマイルストーンに向けて作業を進めることができます。
  • サプライチェーン: サプライチェーンのリーダーは、サプライチェーンのデジタルツインなど、いくつかのデジタルツールを導入していますが、 サプライチェーンは中核的なビジネス上の意思決定に組み込まれていない場合があります。

 

ステージ3 - デジタルプロセスの統合

  • 財務部門: 企業は、100%タッチレスでの請求書処理と発注書照合を開始して、請求書の重複を防ぎ、承認処理のスピードを加速し、契約外の支出を見つけられるようになります。 BSMプラットフォームへの移行により、キャッシュが可視化され、チームはレポートダッシュボードを作成するようになります。 支払いは期日通りに簡単に行われるようになりましたが、企業の規模拡大に合わせて、海外への支払いと国際税務コンプライアンスを管理するための、資金管理システムの追加を検討します。
  • 購買部門: 企業の新しいBSMプラットフォームにより、セルフサービスオプションとワークフローの自動化によって全従業員の購入プロセスを効率化することができます。それにより、支出の分類が改善され、契約外の購入が減ります。 サプライヤーとのコラボレーションツールも、サプライヤーとの関係改善に役立ちます。
  • 調達部門: 会社の規模が拡大し調達が複雑化すると、高度な数学的最適化技術を利用して、複数の入札シナリオを多くのカテゴリーで実行できるようになります。また、サプライヤーのリスクスコアを導入して、最適なオプションを選択できるようになります。 いったんサプライヤーが選定されると、新しい契約がP2P (購買から支払い)プロセス全体に自動で連携されるので、リスクが軽減し、価値獲得が向上します。
  • サプライチェーン: ビジネス全体から得られたデータが、Demand Modelerなどのサプライチェーン設計ツールにシームレスに流れ込むようになり、より優れた在庫管理が可能になります。 輸送の調達など、その他のデータ出力を活用することで、最良の輸送料金で、サプライチェーンネットワークをさらに最適化できます。 そして、重要なステークホルダーと情報を共有し、ビジネス上のより良い意思決定を促進するためのレポートダッシュボードを構築します。

 

ステージ4 - AIによる最適化

  • 財務部門: 社内では購入の不正、社外ではベンダーの審査や支払いでの不正の検知にAIを活用し始めます。 また、支出を100%把握できることから、インフレや調達不足に対応した短期的なリソース配分と、長期的な成長プロジェクトのための資金調達のバランスをとることができます。
  • 購買部門: グローバルコミュニティの支出データを使用し、AIが購入したものを主要カテゴリーとサブカテゴリーに分類します。 これにより、審査済みのサプライヤーの推奨、価格設定に関するインサイト、グループソーシングイベント、包括的なリスクと不正の軽減など、コミュニティインテリジェンスを活用した機会につながります。
  • 調達部門: 支出分類が向上したおかげで、サプライヤーとの交渉に支出のパワーを活用できます。 サステナビリティの改善や全体的なコストの削減など、異なるニーズを持つ複数のカテゴリーにまたがる調達も容易になります。 AIは外部のデータソースを利用して、サプライヤーのリスクとパフォーマンスを長期的かつ継続的にモニタリングします。
  • サプライチェーン: AIは、非効率的な輸送経路や最大積載量未満での輸送など、サプライチェーンにおける最大のコストドライバーを特定するのに役立ちます。 これを受けてチームは、最大の利益をもたらすシナリオをデジタルツインで検証することができ、財務担当の意思決定者は、ビジネスのコスト削減をよりうまくコントロールできるようになります。

 

このモデルのステージ5に入ると、企業はプロセスへの注力を緩め、戦略的で先見的な戦略に重点を置くようになり、同業他社に対して競争力を持つようになります。

どんな人たちがBSMを利用するのか

支出管理の業務と責任は、従来は購買チームが担ってきましたが、BSMではそうではありません。 それぞれの部門が、支出サイクルの様々な段階で関与します。 ここでは、各部門の責任者がどのようにBSMテクノロジーを利用しているかについて説明します。

最高財務責任者(CFO)

CFOは純利益の増大を望んでいます。 そのためには、支出データを完全に把握し、企業成長の妨げにならないコスト削減の方法を見つける必要があります。 しかし、従来の支出管理のやり方では、複数のシステムにまたがるデータの追跡に時間ばかりを費やしてしまいます。 BSMのツールを使うことで、データの一元管理と分析が可能になるので、企業全体の支出の完全な把握とより正確な管理をCFOができるようになります。 BSMはまた、コンプライアンスを強化し、リスクを軽減するのにも役立ちます。

最高購買責任者(CPO)

このような予測不可能な市場環境が常態化する中、コスト管理、リスク対応、サプライヤーの多様性をサポートする戦略的購買戦略を購買責任者がとることは、今日の事業継続に不可欠となっています。 CPOは、BSMツールを使用して、支出カテゴリーを完全に把握し、コンプライアンス監視を自動化し、また全従業員の購買プロセスを簡素化することで、支出のベストプラクティスを徹底します。多くの場合、調達部門、サプライチェーン、財務部門との緊密な連携を行っています。 CPOは、契約、購入、請求書の検証、サプライヤーへの支払いなど、主要な購買プロセスの統合を可能にするBSMソフトウェアを求めています。

戦略的調達責任者(HSS)

HSS (Head of Sourcing、戦略的調達責任者)は、BSMツールを使用して、自社の調達ニーズを正確に追跡して分析し、カテゴリープランと需要プランを策定します。そして、サプライヤーとの契約交渉を通じて、最良の条件で物品やサービスを調達します。 契約交渉の段階(S2C、調達から契約)で獲得した節減が、従業員が自分で商品を購入することで失われないようにすること(申請から購入)が重要です。 調達責任者は、効率的にサプライヤーをオンボーディングし、従業員が契約外の物品やサービスを購入しないように、契約を運用に組み込むことで、これを制御します。 また、リスクとパフォーマンスを継続的に監視し、P2P(購買から支払い)などの下流活動が中断されないようにします。

最高サプライチェーン責任者(CSCO)

CSCOは、需要管理、製品供給力の確保、在庫のバランス調整、ESG基準の達成に取り組みます。 しかし最近では、CSCOはCFOと協力して利益改善を行っています。収益の20%がサプライチェーンコストで占められることがあるため、これは理にかなっていると言えます。 CSCOはBSMツールを使って、サプライチェーンをエンドツーエンドで完全に把握します。 最も重要なツールの1つは、デジタルツイン、つまり企業のサプライチェーンのデジタルレプリカです。これは、CPOがリスクのないテスト環境でさまざまなコスト分析シナリオを実行することで、予期しない混乱に備えた計画を立てる際に役立ちます。

最高情報責任者(CIO)

IT責任者は、企業の中核的な業務プロセスやワークフローを改善することを目指しています。 その実現のために、設定が簡単で、業務を加速し効率化できるBSMソフトウェアを求めています。 これには、データ分析の最適化も含まれます。 BSMツールは、すべてのビジネスプロセスのデータをつなげ、従業員が理解して利用できるようにデータを整理するのに役立ちます。 CIOはまた、特定の支出ニーズをサポートするだけでなく、企業が利用しているテクノロジーやERPとシームレスに連携するテクノロジーを適切に選択できるよう、企業全体の責任者たちを支援します。

BSM戦略の導入方法

BSM戦略をうまく実行することで、財務の可視化が進み、従業員の意思決定が改善されます。 しかし、新しい支出方針に対する従業員の賛同を得ることは必ずしも容易なことではありません。 ここでは、この課題を克服し、BSM戦略を成功裏に導入するための4つのステップをご紹介します。

  1. 現在の支出慣行を評価する。 従業員は会社の優先サプライヤーを知っていますか。 アイテムを購入するのに何段階の手順を踏んでいますか。 購入と経費精算のプロセスについて考え、改善点を探します。 その作業がシームレスであればあるほど、従業員は会社が承認した支出方法を守る可能性が高くなります。
  1. 専任のBSMチームを結成する。 事業部門間のコラボレーションは、BSM戦略を成功させる上で最も重要な要素の1つです。 財務、購買、調達、サプライチェーン、IT部門の責任者からなる専任チームを結成し、明確な目標を設定します。 従業員にベストプラクティスを実践させ、会社の包括的なBSM戦略実現に向けた進捗を追跡することができます。
  1. 適切なBSMツールを選択する。 ツールが使いやすいと、定着率は高くなります。 購入と経費精算のプロセスをシームレスにする使いやすいツールを探します。 誘導型の購入機能があり、管理者によるコントロールがあらかじめ設定されていて、視覚的なレポーティングダッシュボードといった機能を持つソフトウェアを検討すべきです。
  1. 従業員のトレーニングを実施する。 新しいツールや支出ポリシーに関する包括的なトレーニングを定期的に実施します。 チュートリアルや包括的なリソースハブが付属しているソフトウェアは、トレーニングの良い出発点となります。また、専任のBSMチームも、さらなるサポートが必要な従業員のためのリソースとなります。

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BSMと他の業務プロセスとの連携方法

BSMは、エンタープライズリソース計画(ERP)、顧客関係管理(CRM)、人材管理(HCM)と並んで、ともに、あらゆる企業の中核的な業務プロセスに対応します。 これらのシステムを連携させることで、企業はより多くの情報に基づいた意思決定を行い、業務効率を向上させ、競争の激しい市場での成長を促進できます。 この連携を受け入れることは、財務管理と長期的なサステナビリティの実現に向けた一歩となります。

エンタープライズリソース計画(ERP)

ERPは、様々なビジネスプロセスと機能を統合プラットフォームにまとめるシステムです。 ERPは、会計、財務、人事、サプライチェーン管理、在庫管理などの基幹業務を効率化します。ERPは、すべての業務遂⾏のための中心的なデータベースだと考えてください。 必要不可欠ではありますが、すべての人事や支出管理のワークフローを処理できる包括的なソリューションではないのです。 だからこそ、ほとんどの企業は特定の機能に対応するそれぞれのシステムに投資し、ERPと連携させているのです。これらのシステムと連携させることで、ERPの価値は広く活用できるようになります。

BSMソフトウェアを加えることで、企業は財務の健全性を全体的に把握できるようになり、両システムの財務データから、支出パターン、サプライヤーの実績、予算配分に関するより深いインサイトを得られるようになります。

顧客関係管理(CRM)

CRMは、企業が既存顧客や潜在顧客とのやり取りを管理するためのツールです。 CRMは、顧客データを保存し、見込み客を追跡し、顧客満足度とロイヤルティを向上させるためのマーケティング活動を効率化します。 CRMシステムをBSMシステムと連携させることで、マーケティング活動が効率化され、最適化されます。 例えば、マーケティングキャンペーンのための購入申請は、CRMシステムで開始され、自動的にBSMシステムに転送されます。 その後、財務部門は速やかに申請を承認し、キャンペーンの進捗に応じて予算のマイルストーンを追跡します。マーケティングチームと緊密に連携することで、キャンペーンの効果を確実なものにします。

人材管理(HCM)

HCMには、人材獲得、従業員のオンボーディング、給与処理、パフォーマンス管理、従業員の能力開発など、企業の労働力を管理するためのプロセスと実務が含まれます。 BSMシステムと連携すると、従業員と従業員に関するHCMデータとアクティビティの正確な転送が行われるので、企業は管理業務を削減し、データの一貫性を向上させ、コンプライアンスを推進できます。

支出管理に関連し企業が直面する課題

包括的なBSM戦略には、人、プロセス、テクノロジーがシームレスに連携することが必要ですが、企業がそれを達成するにはいくつかの課題があります。

  • 業務のサイロ化。 支出管理は、事業部門によって異なる意味を持っていることがあります。 例えば、購買部門は最安価格の交渉を重視し、財務部門は全体的な利益を向上させたいと考えています。 このため、各事業部門は異なるポイントソリューションやツールを使用し、データやプロセスがサイロ化している可能性があります。 BSMを使えば、支出プロセスとデータが一元化され、コスト削減策を共同で検討し推進する機会が増えます。 例えば、CFOがCPOと連携して在庫保有コストを最小化すれば、収益性を向上させることが可能になります。
  • 手作業の処理に依存。 スプレッドシートやEメールなどを使い、多くの処理を手作業で進めていると、ミスや誤伝達が発生しやすくなります。 データが不正確になり、企業全体のレポーティング機能が低下します。 誤解を招くようなデータを使っていては、事業を賢く導くための意思決定を行うことはできません。 また、手作業で処理を行っていると、契約通りの購入が行われていることの確認や、サプライヤーによる請求書の口座番号の変更の防止など、コンプライアンスの徹底や不正行為の防止がいっそう困難になります。
  • 国内外での連携。 今日のデジタル主流の世界では、オペレーショナルテクノロジー(OT)が企業を1つにまとめる接着剤の役割を果たしています。ペースの速いビジネス市場で業績を上げるには、適切な種類のOTを選択することが不可欠です。 例えば、中国の上海にいる工場長は、モロッコのラバトで起こっているサプライチェーンの混乱の影響で工場の生産が停止する事態に陥らないよう、オレゴン州ポートランドの購買チームとリアルタイムで連携する必要があります。 世界がますます相互につながり、デジタル化が進む中、企業はプロセスを効率化し、リアルタイムのコラボレーションツールを用いて競争力を維持する必要があります。

BSMは、これらの課題を克服するために、 オペレーションをデジタル変革し、 支出プロセスを追跡、管理、分析しやすくする中央集権的なシステムを作成します。

BSMソフトウェアの仕組み

BSMの起源は、90年代後半のERPのP2P (購買から支払い)とS2P (調達から支払い)のアドオンに端を発しています。 その頃、企業間(B2B)電子商取引の技術革新が進み、2000年代初頭に最初のサプライヤー関係管理ソフトウェアを含む、BSMの新しいスタンドアローンソリューションがいくつか登場しました。 しかし、当時市場に出回っていた他のソリューションと同様、請求書や経費精算には対応していませんでした。 必要な機能を網羅するため、企業は複数のポイントソリューションをつなぎ合わせて支出を管理していました。

購買、請求書処理、経費管理、支出分析、サプライヤー管理、契約管理、調達などを含む包括的なBSMプラットフォームが初めて登場したのは、2016年になってからのことでした。 現在では、市場に数多くのソフトウェアやプラットフォームが出回っており、それぞれが異なる機能を搭載しています。 しかし、BSMソフトウェアの最も一般的な機能としては以下のものが挙げられます。

  • P2P (購買から支払い) → P2Pは、購入ニーズの特定からサプライヤーへの最終的な支払いまで、購買ライフサイクル全体を網羅します。 主なメリットは、申請書、承認、発注書(PO)の作成、請求書の処理と支払いなど、購買プロセスのステップを効率化し、自動化することです。 企業にとって最大の課題の1つは、発注書と請求書の照合です。 最先端のP2P機能は、自動的な2点照合を可能にし、コスト高で煩雑な例外処理を排除します。
  • 戦略的調達 → 戦略的調達は、コスト、品質、サプライヤーとの関係を最適化するためのサプライヤーの特定と選定を支援します。 まず、ツールを使って様々なデータを分析し、調達機会を特定することから始まります。 次の段階では、サプライヤーからの入札で最良の結果を得るためにソーシングイベントを実施し、様々な要因に基づいてそれらのサプライヤーを評価します。 サプライヤーが選定されると、契約書の作成から署名まで自動的に進めることが可能です。 ソフトウェアによっては、調達と契約管理および申請書を結びつけることで、契約内支出率を改善し、サプライヤーの請求書と契約した入札条件を照合することで、価値獲得を改善できます。
  • 契約管理 → 契約管理のためのツールは、サプライヤー、顧客、その他のステークホルダーとの契約の作成、追跡、モニタリングを支援します。 これには、テンプレートによる契約書作成の自動化、または調達入札からのデータ取得、変更と更新の追跡、契約更新やコンプライアンス期限に関するアラートの設定、契約文書を一元管理して簡単に検索できるようにすることなどが含まれます。 これらのツールにより、企業は契約ライフサイクル全体にわたって、より多くの価値を獲得し、コンプライアンスを改善できます。
  • サプライチェーンデザインおよびプランニング → サプライチェーンのボトルネックを防ぎ、混乱を回避するには、設計とプランニングのツールが必要です。 これらのツールの典型的なワークフローは、データモデリングやデジタルツイン(物理的なサプライチェーンをデジタルで再現したもの)の作成から始まり、様々なコンポーネントを分析します。 デジタルツインを手にした企業は、様々なシナリオを実行して、需要、供給、ロジスティクスの変化がサプライチェーン全体に与える影響を評価することができます。 これらのシナリオを実行することで、「what if」プランニングに使用したり、予期しない状況に基づいて事後対応したりして、ビジネスを円滑に運営するのに役立ちます。 また、コストを最小化する最も効率的なサプライチェーン設計を特定することや、二酸化炭素排出量を削減するために輸送経路の効率性を改善することもできます。

将来を見据えて、グローバルなリスクや政府の新たな規制、特にサステナビリティ、データ、プライバシー、ジェネレーティブAIをめぐる規制を乗り切るには、BSMが極めて重要になります。 こうした取り組みをサポートするにあたり、ITが重要な役割を果たすこととなります。 新しいソリューションのデジタルインフラをクラウドベースのネットワークで迅速に連携させ、完全にカスタマイズできる、いわゆる「コンポーザブル」なERP戦略が主流になる可能性が高いと考えられます。

自社に最適なBSMソフトウェアの選択

これには、いま直面している問題点と長期的な目標のバランスを取ることが重要です。 現在は請求書の3点照合に重点を置いているとしても、企業が成長し新たな市場に進出すれば、複数の国の税務コンプライアンスに対応した請求書処理を自動的に行えるソフトウェアが必要になります。 数か月、あるいは数年ごとに新しいソフトウェアを評価・購入する必要がないよう、企業の成長に応じて拡張できるソリューションを探しましょう。

また、モバイルアクセスが可能で、ユーザーが使いやすいプラットフォームも必要です。 例えば、フロントラインで顧客と直接やり取りをする従業員や、生産工場で働く従業員には、経費をすばやく管理できる手段が必要です。 場所を問わず、使いやすいテクノロジーであれば、会社が承認した購入方法の従業員への定着率が高くなります。

考慮すべきもう1つの重要な点は、利用するプラットフォームやソフトウェアが現行のERPと容易に連携し、将来のERPの移行やアップグレードにも対応できるかどうかです。 他にも考慮すべき点があります。

  • 仮に現在、会社で利用できるテクノロジーを変更する必要がある場合、それに対応できるリソースがIT部門にはありますか。
  • 本稼働までどのくらい期間がかかりますか。
  • 他の支出管理システムを新しいプラットフォームに集約できますか。
  • そのプラットフォームの移行について、質問に答えてくれて実装を支援してくれる経験豊富なパートナーはいますか。

導入プロジェクトを軌道に乗せ、予算内に収めるために、このように戦術およびロジスティックについて熟慮する必要があります。

CoupaのBSMプラットフォームの利点

Coupaのクラウドベースで使いやすいBSMプラットフォームによって、財務、購買、サプライチェーン部門のプロセスとデータを統合することができます。これにより世界のどこにある企業でも、データドリブンなインサイトによって価値と業務効率を最大限まで引き上げられます。 その利点には、シンプル、適応性、接続性という3つの主な要素があります。

Coupaが企業に選ばれている理由は、ユーザーによる定着率が高いことです。 すべての従業員があらゆる端末からシンプルな購入を体験でき、APや財務チームが請求書や支払いを簡単に処理できます。 また、ERPとの連携も簡単で、セキュリティとパフォーマンスの自動アップデートも毎年3回あるので、IT部門が容易に導入と保守を行えます。

Coupaのプラットフォームは高い適応性も備えています。 最初は、買掛金(AP)処理の自動化購買といった当面のニーズに対応することから始め、ビジネスの成長に合わせて、資金管理や支払いといったその他の機能を追加していくことができます。 Coupaは、サプライチェーン設計ツールから、S2P (調達から支払い)、契約管理にいたるまで、データ連携と業務改善のソリューションを提供します。

しかし何よりも、Coupaの支出エコシステムは、企業をつなぎ、これまでにない価値を提供します。 何千社もの顧客の数兆ドルに上る支出データが匿名化され、AIによって分析されることで、ユーザーのさらなるコスト削減に役立つインサイトを生み出します。 Coupaの年次ベンチマークレポートを利用すれば、特定のカテゴリーでの支出を同業他社と比較し、評価の高い信頼できるサプライヤーを見つけることはもちろん、審査済みのビジネスパートナーからサポートを受けたり、自社のBSMパフォーマンスの状況を把握したりすることも可能です。

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