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立命館が「購買業務改革」を推進~大幅な業務効率化を達成し支出最適化に向けたデータ分析に着手

学校法人立命館(以下、立命館)が、Coupaの総支出管理(Total Spend Management)ソリューションを採用し「購買業務改革」に取り組んでいる。2024年8月より1,080名の学園職員がCoupaの本番利用を開始。発注書や請求書の電子化により、8か月で200万枚以上の紙出力や郵送、保存業務を削減する成果をあげた。さらに、発注・納品・請求データの「3点照合」とERPへの自動連携により、紙ベースの出金依頼処理を解消し、購買から支出に至るプロセスを大幅に効率化。2025年に入り、Coupaに蓄積されたデータ分析を通じた支出最適化への取り組みにも着手した。
本プロジェクトは、Coupaに精通した野村総合研究所(以下、NRI)が全面的に支援している。

Coupa導入効果・実績

200万枚

紙出力・郵送・保存の削減

13,000時間

購買・支払処理の短縮

課題

  • 学園ビジョン「R2030」の実現に向けた法人業務改革の推進
  • 学園職員の業務効率化を通じた教育研究活動の強化
  • 購買・支出にかかる業務プロセスの電子化と電子帳簿保存法への対応

ソリューション

  • Coupaの総支出管理ソリューションを採用し購買・支出プロセスを電子化
  • Coupaプラットフォーム上に法人取引(見積・発注購買、Web購買、請求書購買)を集約

成果

  • 発注書や請求書の電子化により、導入から8か月で200万枚以上の紙出力や郵送、保存業務を削減
  • 購買・支払処理にかかる所要時間を、従来比60%減となる計13,000時間削減
  • 発注・納品・請求データの「3点照合」とERPへの自動連携により、紙ベースの出金依頼処理を解消し支出プロセスを高速化
  • 電子帳簿保存法に対応するとともに伝票類の検索・参照を容易に
  • Coupaに蓄積されたデータの分析を通じた支出最適化の取り組みに着手

学校法人立命館
財務部財務経理課
課長 野口 公彦 氏
法人業務改革担当

学校法人立命館
財務部契約課
課長補佐
中山 しずか 氏

株式会社野村総合研究所
コンサルティング事業本部
業務・IT戦略コンサルティング部
シニアコンサルタント
田畑 貴大 氏

Coupa株式会社
バリューサービス本部
シニアカスタマバリューマネージャー
淺野 宏 氏

「学園ビジョンR2030」の推進と購買業務改革

挑戦をもっと自由に――立命館は、2030年の社会を見据えた「学園ビジョンR2030」を掲げ、その実現に向けた取り組みを全学で進めている。立命館 財務部財務経理課 課長であり、法人業務改革を担当する野口公彦氏は次のように話す。

「学園ビジョン R2030では、新たな価値を創造する次世代研究大学として、2030年における立命館の姿を描いています。私たち財務部門は、『購買業務改革』を中心とする法人業務のデジタル変革を通じてその実現を支えていきます。購買と支出にかかる非効率な業務プロセスを徹底的に見直し、教育と研究により多くの時間と資金を投入できる環境を整備することが狙いです」

立命館は、北海道、滋賀、京都、大阪、大分にキャンパスを持ち、2大学、4附属高等学校、4附属中学校、1附属小学校に、およそ5万人の学生・生徒・児童を擁する総合学園である。1,080名に及ぶ学園職員は、教育・研究活動の運営というミッションを担いながら、日々の業務の中で購買にも関与する。

「2024年8月に、総支出管理ソリューションCoupaの運用を本格的に開始しました。およそ500社のサプライヤーを対象に物品や役務の購買から支払処理までを電子化し、紙と人手に多くを依存してきた業務プロセスを抜本的に見直しています。電子帳簿保存法への対応を含め、法人業務のDXを大きく前進させました」(野口氏)

財務経理課の業務は、財政政策の企画立案、予算案策定、決算、資産運用、収納まで幅広い。事業の効果検証と支出最適化も重要なミッションだ。野口氏は、立命館における情報システム部門と財務部門での経験を活かし、法人業務改革担当としてCoupaの導入プロジェクトをリードしている。

「立命館では、長年にわたり購買と支出のシステムを個別に運用しており、物品などを購買した職員は出金依頼書を発行して支払い手続きを行う必要がありました。P2P(Procure to Pay)ソリューションとしてのCoupaは、2つのシステム間の壁を取り払い、紙と人手を排して、発注から支払・会計処理までを一気通貫で実現します。私たちはNRIのサポートを受けながら、学校法人会計基準への適応という課題を乗り越えてCoupaの導入を進めました」(野口氏)

発注・納品・請求「3点照合」とERPへの自動連携

NRIは、コンサルティングとITソリューションの2軸で事業を展開し、企業・行政・教育から社会基盤の構築までを幅広く支えるITサービスカンパニーである。同社 コンサルティング事業本部のシニアコンサルタント 田畑貴大氏は次のように話す。

「立命館様とは『購買業務の効率化を通じて教育研究活動に寄与する』という目標をしっかりと共有し、深いレベルまで議論を重ねた上でCoupaの導入プロジェクトに着手しました。幅広いお客様にP2Pソリューションを提供してきた実績、Coupaを採用して自社の調達改革を成功させた経験・知見を活かし、立命館様とともに課題解決に取り組んでいます」Coupa導入プロジェクトの重点テーマは次のように設定された。

  1. 購買・支出にかかる業務プロセスを見直し、電子化による業務効率化の効果を高めること
  2. 支出に関するすべての証憑(見積書、請求書、納品書など)をシステム上で一元管理し、電子帳簿保存法に対応するとともに検索・参照を容易にすること

Coupa上にはサプライヤー企業を対象とする購買の大半が集約された。購買パターンは、物品や役務などの「見積・発注ベース購買」、ECサイトなどでの「Web購買」、公共料金などの「請求書ベース購買」の大きく3つに分類される。立命館 財務部契約課 課長補佐の中山しずか氏は次のように話す。

「エンドユーザーである学園職員に、業務効率の改善効果を最も実感してもらえたのは『Web購買』です。Coupaでは、カタログから商品を選んで購買申請を行うと、その内容がそのまま申請書に反映され、商品名や金額を入力し直す必要なくスムーズに購買手続きを行えます」

重要な点は、Coupa上で発注・納品・請求の3つのデータが照合され、ERPに自動連携する仕組みが整えられたため、職員が出金依頼書を発行して支払い手続きを行う必要がなくなったことだ。

「商品が届いた後は検収・受領登録を行うだけです。職員へのアンケートでは『購買体験が大きく改善した』『業務が効率化された』との回答が多くを占めました。集計したところ、Web購買では年間およそ5,000時間、見積・発注ベースの購買では8,000時間、合わせて13,000時間の削減効果が認められました。従来手順比での削減効果は60%以上に達します。電子化・ペーパーレス化に加え、業務プロセスがシンプル化・自動化されたことで期待以上の効率化が図られたものと考えています」(中山氏)

発注・納品・請求「3点照合」が実装された新しい業務フローは、財務部門のスタッフを「勘定科目の割り当て」や「紙の帳票類を入手して付け合わせる非効率な業務」からも解放した。

電子化により200万枚以上の紙出力を削減

発注書や請求書が電子化されたことで、Coupa導入から8か月で200万枚以上の紙出力と、その郵送や保存にかかる業務が削減された。コピー用紙200万枚を重量に換算すると実に8トンに達する。野口氏は次のように振り返る。

「Coupaの運用を開始して1年が経過し、シンプルで自動化された業務プロセスの定着化とともに、帳票類を印刷して押印する文化も、職員の意識も大きく変わりました。見積書、請求書、納品書などはCoupa上で一元的にデータ管理されていますので、必要なときに即座に検索・参照できます。単にペーパーレス化を実現しただけでない、デジタル変革の威力を多くの職員が体感しています」

NRIは本プロジェクトにおいて、Coupaの導入に加え、これと連携する会計システムや予算管理システムとの接続部分も担当した。NRIの田畑氏は次のように振り返る。

「本プロジェクトの成功要因のひとつに、内税処理に代表される学校法人会計基準への対応方法を早い段階で策定したことがあります。中でも、Coupa(外税)とERP(内税)を相互に自動変換する『データ連携基盤』の役割は重要です」

iPaaSを利用するデータ連携基盤は、Coupaが提供するP2P機能をフルに活かしながら、学校法人ならではの様々な要件への柔軟な適応を可能にした。

「新システムの開発段階で、購買業務を行う各部門のコアユーザーに実際にCoupaを体験してもらい、使い勝手や機能性に関する
感想や意見を収集できたことも成功要因といえるでしょう。フィードバックに基づいて画面設計を見直し、操作ガイドやチュートリアルを画面表示するDAPツールを導入するなど、エンドユーザーのストレスを軽減したことで、新システムをスムーズに受け入れてもらうことができました」と野口氏は話す。

購買業務の効率化から支出の最適化へ

財務部門では、購買業務の効率化を超えて「購買業務の中身」に変化が起こりつつあるという。

中山氏は、「Coupaのダッシュボード上で、購買・支出活動全体を定量的に把握できること、発注や請求のステータスがひと目でわかるようになったことは非常に大きな変化です。ここから購買活動の改善や最適化のヒントを得て、財務部門としての仕事の質をさらに高めていきたいと考えています」と話す。

Coupaに格納された購買データを分析する取り組みも始まっている。Coupa日本法人のシニアカスタマバリューマネージャーとしてカスタマーサクセスに力を注ぐ淺野宏氏は次のように話す。

「Coupaによる『購買業務の効率化』では期待通りの成果が得られました。次のステージは購買データの分析を通じた『支出の最適化』です。立命館様と慎重に検討してきた評価指標をもとに、施策と検証を繰り返しながら着実に支出最適化の成果を出していきたいと考えています」

野口氏は「Coupaが私たちに伴走してくれることはとても大きな安心」と話しつつ次のように結んだ。

「支出に関する分析やアドバイス、最適化に向けたアプローチは実に的確です。Coupaという会社がただのSaaSベンダーではなく、総支出管理ソリューションによる顧客価値の創造に力を注ぐ企業であることを実感しています。学園職員に続き、教員展開に向けた取り組みも始まりました。新システムの能力をフルに引き出し、より大きな成果を獲得するために、NRIとCoupa日本法人には継続的なサポートを期待しています」