ボトルネックとなるCoupaのサプライヤー展開
HIPUSは、日立グループの調達部門が独立して設立された日立プロキュアメントサービス株式会社が前身で、2019年に経営主体が変わり、日立グループ以外へも調達サービスを支援しています。調達業務のBPOとして、Coupa導入後のサプライヤー展開とFAQ対応のヘルプデスクのサービスを提供しています。
Coupaユーザーにとって課題となるのが、導入後のサプライヤー連携です。Coupaユーザーからは、サプライヤーへ案内しても返事が来ないといった声が数多くあがっています。そうした状況の中、数千社にも及ぶサプライヤーに対して取り組まなければならず、業務が煩雑になりかねません。
HIPUSではこうしたケースを想定して、サプライヤー1社ごとにコミュニケーションを図り、調達業務経験者などが主体となったサプライヤー・イネーブルメントを展開しています。
HIPUSのサプライヤー・イネーブルメント
大規模取引のサプライヤーは、すでにパンチアウト連携のサイトがあるため、cXMLによって連携するケースが一般的です。中規模取引のサプライヤーに対しては、HIPUSにてCSP(Coupa Supplier Portal)による連携を行い、注文や出荷データをやりとりするための手順説明から口座開設、利用規約の改修に対応しています。
さらにCoupa導入で課題となるのが、請求書で対応していた調達の集約対応です。初めてCoupaに移行するサプライヤーは、いきなりCoupaへの変更を伝えられてしまい、不明点が山積しがちです。そこでHIPUSでは、サプライヤーへの社内教育やコミュニケーションにも伴走しています。
サプライヤー展開サービスは、サプライヤー展開前のオペレーション設計と、実際のオペレーションで構成されており、3ヶ月で1,000社のオンボーディングを目安に対応しています。
保守サービスは、Q&Aに対応する「ヘルプデスク」と、難しい内容に対応する「運用・保守」の2つのフェーズで構成されています。特に運用・保守にはCoupaのトレーニングプログラムを受講した認定スタッフが対応しています。
購買受託型にも対応できる調達BPOサービス
HIPUSにBPOを依頼する企業でもCoupaを利用するケースが増えています。HIPUSのBPOの特徴は、取引への仲介が伴うBuy-sell型(購買受託型)のBPOにも対応している点です。
これにより、エンドユーザーから見たときに、取引先がHIPUS1社に集約されます。そのため個別のサプライヤーに対する発注、納期管理、支払いなどをHIPUSで対応することができ、管理工数の削減に役立ちます。
加えてエンドユーザーからの支払先もHIPUSに集約され、支払いのタイミングを設定できるので、キャッシュフロー改善や下請法への対応も実現しています。
HIPUSのBPOサービスでは、コンプライアンス対応や管理、KPI設定、P2P領域に閉じず、戦略やソーシング実行にも対応可能です。問い合わせ窓口もHIPUSに集約されるので、エスカレを抑制し迅速な対応を実現しています。
また、HIPUSのBPOの特徴であるBuy-sell型(購買受託型)は、ソーシングにも対応しています。
杉本氏は「HIPUSでは、そのうち価格が下がるオークションであるリバースオークション機能をBuy-sell型で提供し、オークションの利便性を体感いただけるように整えています」と話します。
カタログ購買の新モジュール
HIPUSでは、間接材カタログ購買の新モジュールの開発に取り組んでいます。具体的には、eコマースを扱っている複数のサプライヤーと連携。同じ商品を価格比較しながら調達できるモジュールの実現を目指しています。このモジュールでは、集中購買カタログのほか、顧客固有のプライベートカタログの実装も予定しています。
またHIPUSでは、価格交渉やメンテナンスなどによって処理したデータをCoupaに連携できるよう、機能開発を進めています。
Coupa導入後のボトルネックとなりやすいサプライヤーへの展開。HIPUSではそうした業務を支援し、Coupaの効果的な導入を実現しています。調達部門から独立・拡大してきた企業のため、調達業務に特化したコンサルティングからBPOまで対応しています。
Coupaの導入と併せて、サプライヤーへの展開支援などHIPUSのサービスを活用してみてはいかがでしょうか。