本記事は、「買掛金の自動化に重要な10のKPI」を元に作成した記事です。
激動する近年の市場において、多くの中堅企業はキャッシュを節約し、そして増益の方法について注力しています。過去には、先行きの不安定な時期に人員削減や大幅な予算削減が最も迅速で効果的な対応と考えられていました。
しかし、今日の経理責任者は、コスト削減、効率改善、管理強化の手段として、B2Bの自動化ソリューションに注目しています。中堅企業の70%近くが2022年に向けて買掛金の自動化を優先しており、その上位2つの目的は買掛金の自動化導入と、買掛金レポートおよびデータ分析の改善でした。
経理・財務責任者に向けて解説していきます。会社の財務健全性を把握するには?可視化、制御、支出管理が財務健全性にどう影響するのか、また支出と流動性に関わる広範なプロセスを調和し、ビジネス価値を最大化するビジネス支出管理(BSM)について説明していきます。
ダウンロード買掛金自動化においての指標の重要性
買掛金自動化ソフトウェアの導入が確定した場合、導入する機能を価値ある資産と位置付ける事で、改革のスタートを切ったと言えます。そこからは買掛金自動化ベンチマークを参考にしながら改革を推進していきます。
「もしあなたがAP部門で業務や課題を分析していない場合、成果がでていること、そうでないこと、そして同業他社と比較した場合の指標を理解していないと言えます。測定していなければ、改善することはできません。」Bob Cohen, Vice President of Research at Ardent Partners
指標は、経理責任者が以下の項目を特定する際に役立ちます。
- 経理部門(買掛金)が戦略的に業務活動を進める上での障害
- 一定期間内に達成すべき合理的なマイルストーン
- 目標達成後の改善点
Ardent Partners社のレポート「AP Pulse on the Mid-Market in 2022」によると、51%の企業が、請求書の例外処理が最大の課題であると回答しています。
請求書の例外処理が多いということは、処理コストと承認時間を押し上げるとともに、マニュアル作業が多く、セルフサービス型のサプライヤーツールの導入が追い付いていないことを示しています。指標としては、例外処理(または、長い承認時間や高いコストなどのその他のハードル)の構成要素を分解し、迅速な問題解決に役立ちます。
買掛金自動化で有効な10の指標とKPI
Ardent Partners社の「Accounts Payables Metrics that Matter in 2022 Report」は、優れた参考ガイドです。以下のような業界にとって最適であり、広く利用されている買掛金ベンチマークをまとめた内容になっています。
- 業界全体の電子請求書が占める割合
電子請求書は、より迅速かつ低コストで処理することができます。全体に占める電子請求書の割合や、電子請求書を送付するサプライヤーの割合を把握することができます。
- 請求書1枚を処理するための平均コスト
請求書1枚あたり9.25ドルのコストが掛かっています。9.25ドルを削減することで、何ができるでしょうか。この金額には人件費、諸経費、テクノロジーなどが含まれており、このコストの要因を探り、改革していきましょう。
- 請求書1枚の処理にかかる平均時間
請求書の受領から支払可能な状態になるまで、どれくらいの時間がかかっていますか。承認にかかる時間全体を把握し、データ入力、送金、承認、例外処理など、プロセスの各段階ごとに分解して、処理時間の改善が可能な作業を確認します。
- タッチレス・プロセスの割合
経理部門の買掛金担当が介入することなく、支払いの準備が整った状態で請求書を受け取り、承認することができる請求書はいくつありますか。タッチレス処理は、他のどの請求書承認ワークフロープロセスよりも大幅に低コストで処理時間も早く、優れた業務効率と財務効率を生み出します。
- 例外の請求書処理率
例外処理リストに分類される請求書はどれくらいありますか?例外が多い請求書タイプやベンダーはあるか?例外を着実に減らすために、共通の課題を特定し対処する。
- 1回の支払処理の平均コスト
経理部門の買掛金担当者の人件費、印刷、郵送などのコスト以外にも、管理間接費、ITサポート、小切手の停止、無効化、返却にかかる作業も含めて考えてみてください。ペーパーレス化への一度の投資で、これらの金銭的なコストと作業コストを削減することができます。
- 問い合わせ対応にかかる時間
サプライヤーが経理部門の買掛金担当者に問い合わせる要因について分析し、セルフサービスツールやサプライヤー管理プログラムが最初コンタクトポイントとしてどのように機能するのか調査する。買掛金担当者が問い合わせに費やす時間を削減することで、戦略的な業務活動により多くのリソースを割り当てることができます。
- 電子決済技術の採用
請求書払い、P2P、B2B の支払い業務において、経理部門(買掛金)はどのレベルまで幅広く自動化し、活用していますか?
個別分野でのポイントソリューションは、その時点では最善の投資のように思えるかもしれませんが、実際には他の部分にボトルネックとなり、自動化の全体的な効果を制限してしまいます。
- 主要な買掛金指標の測定
経理部門(買掛金担当者)は、どのように目標を設定、記録し、最終的に目標を達成した後も、継続的な改善を推進するのでしょうか。基本的な項目でも、適切で実用的な指標基準を確立し、測定することは、重要な最初のステップです。
- 戦略的な長期計画を立案
買掛金を戦略的な社内資産に変革するためのロードマップは何でしょうか?買掛金を主要なステークホルダーとどのように協働させ、より広範囲のP2P領域で機能させていくのか定義すべきです。
オンラインセミナーを視聴する:Ardent Partners社リサーチ部門バイスプレジデントのBob Cohen氏とCoupaでアシスタントコントローラーを務めるRobin Turnerが、これらの指標を分解し、なぜそれらが重要であるかを探ります。
Ardent Partners社のレポート「AP Pulse on the Mid-Market in 2022」では買掛金担当者が2年後の自身の特定機能や、次世代の優れた買掛金スペシャリストに必要なスキルセットと専門知識を要約しています。
買掛金の指標基準がきちんと定義されていれば、導入プロセスをチェックするだけの運用から、財務組織全体をサポートする取り組みに変革することができます。例えば、予算通りにビジネスを進め、財務目標を達成するために経理業務をより速く終わらせることができるようになります。
買掛金自動化の準備はできていますか?Ardent Partners社のレポート「AP Pulse on the Mid-Market in 2022」は、導入を進める上で正しい評価指標をご紹介しています。